RUNABOUT!!

たまに自作パンを持って山を歩いたり走ったり、大会ボランティアしたりしています。更新度超低めでのんびりやってます。

分水嶺トレイル 2017 踏破記

試走後編を飛ばして、7/15~17に開催された分水嶺トレイルのAコース踏破記ですw

 -----公式サイトより引用-----

分水嶺トレイルとは

今年で6年目を迎える縦走形態のトレイルレースです。
秩父多摩甲斐国立公園内の4つの百名山(雲取・甲武信・金峰・瑞牆)と
4つの分水嶺多摩川・荒川・富士川千曲川)を3日以内で踏破し、
清里獅子岩までたどり着く、登山道95%の縦走レースです。
スタートの奥多摩、鴨沢からフィニッシュは清里獅子岩まで
沿面距離Aコースが84km,Bコース120km
累積標高差Aコース8.000m,Bコース12.000mと
大変タフな縦走大会です。

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トレイルランニングではなく縦走大会という括りですが、CTで80%以上で進まないとゴールは困難なんですね。
走りやすい所や下りは走るくらいしないと寝る時間すら稼げませんw

正直、自分には不相応な大会でしたが、チームメンバーのお陰で無事ゴールすることができました。

■7/15
新宿からホリデー快速おくたま1号で奥多摩駅へ向かい、鴨沢行きの一番バスでスタート地点へ向かいました。
ちょっと信じられない日差しと気温でしたね。
当日の予報だと天気は下り坂のハズだったのに、本当にこの天気が崩れるの? みたいな。
念のため水は2リットル持ってきたものの、雲取山以降の水場のことを考えると若干不安を感じるくらいでした。

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装備品チェックを終え、ブリーフィング突入。
以前試走に行った際に崩落していた山ノ神土~中休場尾根~水干までのルートの影響で唐松尾山経由に変更になったとのこと。
そのため関門が30分延長となりました。

7/15 11:00 鴨沢スタート

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さて、出発時間の11時となり、なんとなくまったりとスタートw

稜線に出るまでは変化の少ない樹林帯をを黙々と突き進みます。
楽しくもない樹林帯だけど、日差しは避けられるので非常に助かりましたw

7/15 13:52 雲取奥多摩小屋
それでもなんだかんだ水の消費は多めで、この先しばらく給水できないので雲取奥多摩小屋でしっかり補充し、次の給水ポイントの将監小屋に向かいます。

7/15 18:04 将監小屋

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給水のために他の選手もたくさん立ち寄っていました。
ここの水場は頭が痛くなるような冷たい水が豊富に出ていてるんですよね。
ついでに汗まみれ塩まみれの顔を洗えて気分もスッキリ。
足裏のケアをして休憩もそこそこで先を急ぎます。

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いよいよこの辺りからナイトパートに突入。

次はブリーフィングで説明のあった唐松尾山からの第一チェックポイントとなる雁坂小屋。
ビバークができて、うまくすれば温かいものが食べられるとのことなので思わず足に力が入りますw

7/15 21:10 雁峠分岐

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小さな分水嶺碑で足裏ケアしていると、小さなお客さんがヘッドライトにつられて遊びに来てくれました。
しばらくザックに取り付いていたけど、この先もご一緒するわけにもいかないのでベンチにそっと置いてお別れしました。

7/15 22:53 雁坂峠
最初の山場の第一チェックポイント。
制限時間は16日1:30だったので、時間的に結構余裕ありでした。

チーム内では甲武信ヶ岳まで行ってビバーク…という案も出たけど、さすがに厳しいので勘弁してもらって雁坂峠小屋でビバークさせてもらいました。

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小屋では深夜なのにカップ麺を食べさせていただくことができてほんと生き返る思いでしたよ。(通常ではありえないので、必ず早い時間にチェックインしましょう)

テン場は他のお客さんの迷惑にならないように、少し離れた場所へ案内されました。
他の選手たちもそこへ案内されていたようで、幕営できる場所は数えるほど。

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さっさと支度を済ませ、おやすみなさい…したものの、大休憩5時間を何を聞き間違えたのか6時間と勘違いしてしまい痛恨のミス。
大急ぎで用意するも約30分押しで出発。
次のチェックポイントの大弛小屋13:30到着がアヤシイ感じになってしまった…

7/16 6:42 破風山(避難小屋)

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避難小屋の中を覗いてはいないけど、外の人たちの話だと屍累々だったそうだw

7/16 7:54 甲武信小屋
給水して小休止。
ここからノンストップで一気に大弛小屋へ。

この区間国師のタルまでは大したアップダウンもなく、非常に歩きやすいコースなんだけどとにかく長いw
でも、そのおかげでタイムを稼ぐにはちょうどいいワケですが。

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国師のタルから国師ヶ岳まではいくつも偽ピークがあるので、それに騙されないよう常に平常心。

7/16 11:57 大弛小屋
時間に少し余裕アリでチェックイン!

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ついに手作りの温かいご飯! お待ちかねのカレーをいただきます!!
スパイスさまさまでぺろっと食べちゃった。
しっかり食べて金峰山を元気に越えますよ。

7/16 14:26 金峰山

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初! 昼間の金峰山!(前回の試走のときは真夜中だった)
ちょっと曇り空だけど、やっぱ見晴らしがいいね。
あの鳥居の向こうの岩山にも人が登ってる。

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頂上を越えてしばらく進んだところで振り向くとこんな感じ。
この山自体が岩の塊みたいね。
こんな荒々しいのに、お年寄りや子供がたくさん登ってきているのをみると愛されているお山なんだなと思った。

7/16 16:42 富士見平小屋
ついに来ましたよ! 最後のチェックポイント!
ただし、ここは通過時間が重要で、17日の4:00出発でなければなりません。

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とりあえず、後半試走のときに食いそびれた¥1800のカレーを食べますw
いやー味が濃くて美味しい! 山ならではの濃さなのかな?
写真だとソーセージは1本だったけど、大会限定のサービス?w
ご飯もずいぶんと多いように感じる! お腹いっぱい大満足!

食事も終わり、ここで作戦会議。

  1. このまま明るいうちに瑞牆山アタックからの、夜の地図読みパートへ。
  2. 大休憩をとって深夜に出発。漆黒の瑞牆山アタックから朝の地図読みパートへ。

このどちらかを選ぶことになりました。

  • 全員眠気はないし元気もある。
  • 地図読みパートは標高が低いので、涼しいうちに抜けたほうがいいのでは?
  • もう早く終わらせようぜw

ということで、①に決定。

山のラスボス瑞牆山へ向かうのでした!

7/16 18:22 瑞牆山
気持ちとは裏腹に体が悲鳴をあげてる(*_*;

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実はこの辺りで行動食のジェルは残り3本。
富士見平小屋のカレーでどこまで行けるかかなり不安が残る状況でした…

瑞牆山を越えるとさすがにもう真っ暗。 漆黒の闇ですよ。

で、ここからが地図読み区間。 今年の分水嶺一番の山場。

地図読み経験がほぼ無い自分はただただついて行くだけで精一杯。
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明るければ全然問題もないんだろうけど、真っ暗ではもう自分の位置なんかさっぱりわからない。
この倒木の橋も近くに行かなければそれが橋であることなんかすらわからないんですから。
読図能力が必要だなと心底感じました。

7/16 23:31 信州峠
ここで最後の休憩約1時間。

すでにお一人先客がいらしたようだった。

少し横になって体力を回復させようとするも、妙に寒くなり15分程度で目が覚めてしまう。
そんなことを何度か繰り返していると急に雨が降ってきて、急いでレインウェアを着込んだけどまた横になっても同じことと思いそのままビビィを撤収。

さて、水も1リットルを切り、ジェルも残り2本だったかな。(内1本はチームメイトにもらった)
どんだけ自分を騙して動くことができるか勝負のはじまり。

7/17 2:00 横尾山
もう登りは数歩ごとに止まっては登るの繰り返し。
体の中に力が残っていない感じ。

いよいよ最後のジェルをこのあたりで投入するも、すでに足が完全に終わっているのでチーム仲間に荷物を持ってらうこと。
でも、そうでもしないとまともについていくことすらできない状態だった。

自分自身の不甲斐なさに悔しさと怒りがこみ上げてくる。
とにかく今は突き進むのみ。

7/17 5:10 飯盛山
最後のピーク。 もうゴールは目前。

ずっと「いいもりやま」と思っていたけど「めしもりやま」なんですね。
漫画みたいな大盛り飯っぽいからそんな名前になったとか。

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完全に生気がありませんねw
体の中からありとあらゆるものが抜けてしまった感じがしました。

7/17 5:53 獅子岩
ゴール。

総活動時間は約33:40
睡眠時間は約7:00

ゴール時にはコーラかビールがいただけるとのことなので…迷わずビール!
水分が抜けきった体に水分とアルコールが駆け巡る感覚を味わうことができましたw

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どことなく目がイッていますねw

こうして長い旅が終わりました。

長かった…ホント長かった。
やっぱりキツかったのは瑞牆山以降の地図読み区間
経験、知識、体力、水、食料と無いものだらけの自分を痛感しました。

ものを多く持てばその分体にに掛かる負担は大きくなる反面、水や行動食不足などはまず起きない。
逆もまた然り。

自分に必要な装備を選びぬくには、経験を積んで見えてくる部分ですよね。

今回はそれを肌でイヤというほど感じることができました。
こんな経験をさせてくれたチームリーダー、チームメイトに感謝です。

ここからはコツコツと経験を積み重ねて、次の目標のAコースソロ参戦に向けて頑張ります。

 

また、ルートコースなどは以下で公開していますので、お時間のあるときにぜひ。

yamap.co.jp

分水嶺トレイルAコース前半試走の装備品を晒す

縦走は初体験で、とりあえず必要と思われるものを全部突っ込んだら12kg程度になったんですよ。

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いらないものも若干はあったけど、なんだかんだ使った感じかな。

ここから軽量化するには個々を軽いものに替えることになるんだろうけど、ぶっちゃけそんなに金は無いw

 

でも、その範囲で半分程度にしないとまともに歩けないのも事実。

後半の試走までに試行錯誤をしないとなぁ。

分水嶺トレイルAコース前半試走

分水嶺トレイルAコースにチーム参加が決まったので、その前半鴨沢~甲武信ヶ岳まで試走に行ってきました。

が、途中で力尽きて雁峠で下山という情けない結果となりました。

さて、やっぱりGWの後半戦ともなると、ホリデー快速おくたまはメッチャ混みですね。 新宿から乗らないと吊革にすら掴まれない状態でしたよ。

当然鴨沢行きバスも増発がバンバン出るくらい賑わってます。

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実は雲取山が初めて。(正確にはここから先すべて初めてw)

ガッツリ登りでザックが肩に食い込みます…先が思いやられる。

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登山者でいっぱいな登山道をえっちらおっちら歩き、辿り着いたは七ツ石小屋。 そこでは鷹匠さん? に遭遇。カッコイイ。 七ツ石小屋先の水場は結構豊富に水が出ていましたんで、もし七ツ石小屋で補給を忘れたらこちらでどうぞ。

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雲取山までの尾根から山頂でのドヤ顔(でも半分死にかけてる)。

2017年に2017mの山に登るなんて運命を感じるねw

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雲取山から来た道を振り返るも先を急ぐ。 途中雪渓が見え、「まだ雪が残っているんだな~」なんて思っていたらこの先すぐにコース上にも雪が残ってました。 一部凍っていたけどアイゼンなどは不必要なレベルでしたよ。

これ以降から日が落ちて夜間行動に突入。トレランで夜間行動は何度かやったことはあるけど、レース以外では初と言ってもいいくらい。 仲間がいなかったらマジで怖かったw

完全に日が落ちて(19時頃)宿泊場所の将監小屋に到着。

テン場は結構埋まっていてすでに就寝している人多数。

なんとか場所を見つけてツェルトを張るも地面がユルユルでテンションをかけることもできず。 結局30分以上かけてグダグダで設営完了。 調理場があったので、そちらで夕食を済ませてとっとと就寝。

次の行動開始時間は25時。 ちょくちょく目覚めてしまったけど、3時間程度でも眠れたら結構体力は回復するもんだね。

24時に準備開始。 寝る前に飯食って3時間程度では腹は減らないけど、とにかく突っ込んでおかないと厳しいだろうと無理やり口に入れた。

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深夜の山中は本当に静か。 聞こえてくるのは鹿の声くらいか。

そんな中、分岐点の看板にショッキングなメッセージ。

「崩落箇所多数通行注意 2017,4,19」

「4/26 引き返してきました。あぶないです。」

「キケン 5/2」←これは今気がついた

…マジかw

でも、装備品もあるし先に進むことを決意。

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暗くてわかりにくいけど、完全に崩落しちゃっているところが4箇所ほど。 今思えば明るいときに見たらもっと怖かったと思う。 他にも小さい崩落も多数ありますよ。

黒エンジュ方面に進まれる方は、本当に気をつけてください。 引き返す勇気も必要です。

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無事黒エンジュに到着。 生きていることに感謝w

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多摩川の源流ですって。 なんだかスゴイところに来たんだなぁとしみじみ。 ほとんど水は出ていなかった。 

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なんだかとても可愛らしい名前。 我々の飲水になる源流だからね、ホント自然を大切に。

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いよいよ自分のゴールとなった雁峠。 ガシガシと突き進む仲間の背中を見送り、下山します。

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ひたすら川沿いを歩く。

途中何組かのハイカーと挨拶を交わす中に、トレイルランナーヤマケンさん率いる登山部の面々に遭遇。 さすがお膝元だなぁw

他にも鹿の白骨死体を2箇所で見ました。 やっぱクマがいるんだなぁ…。

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2時間以上かけて下山完了。 登山口から西沢渓谷入り口まで移動し、そこからバスに乗り塩山駅から帰路につくのでした。

ホント今回はいい経験ができましたわ。